【大阪・福島】コワーキング・イベントスペースGRANDSLAMにて「ことばとこころとからだvol.7」を開催しました。

大阪・福島にあるコワーキング・イベントスペース「GRANDSLAM(グランドスラム)」にて、言葉と文章を愛する人たちの集いである、「ことばとこころとからだ vol.7」を開催しました。

大阪福島コワーキングイベントスペースGRANDSLAMグランドスラムことばとこころとからだライター

会場情報【コワーキング&イベントスペース『GRANDSLAM』】

大阪福島コワーキングイベントスペースGRANDSLAMグランドスラムことばとこころとからだライター

「成長・共創・つながり」という3つのコンセプトを軸に運営している、2019年8月設立のコワーキングスペース・イベントスペース GRANDSLAM。快適な作業環境を提供するだけでなく、学べるイベント、つながれる機会の創出などを通し、関わる人たちのビジネスの可能性を広げ続ける進化系スペースです。

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・コワーキング・イベントスペース「GRANDSLAM(グランドスラム)」HP
https://grandslam.osaka/

・「GRANDSLAM(グランドスラム)」紹介記事(note)
https://note.com/gsmp2019/n/n3e443736e353

「ことばとこころとからだ」イベント概要

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「言葉や文章を愛する人たちと、一緒に楽しく語りたい!」

そんな想いから生まれた当イベント。
集まるのはライターや作家、エッセイスト、俳人、作詞作曲家、ナレーターなど、文章に関わるお仕事の方々はもちろん、純粋に文章や言葉が大好きな人たち。

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本や新聞記事、エッセイやネットのコラムなど、お互いの好きな文章を紹介し合ったり、テーマに沿って文章を書いてみたり、「楽しく書く」をモットーに毎月遊んでいます。

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・ことばとこころとからだ詳細
https://ropeth.com/kotoba-kokoro-karada/

「ことばとこころとからだvol.7」イベントスタッフ

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・中野 広夢(なかの ひろむ)
兵庫県を拠点として活動しているフリーの編集ライター、カメラマン。大学卒業後、小学校教諭、塾講師、保育士を経験。2019年からはコワーキングスペースのコミュニティマネージャーとして活動。その後兵庫県播磨地域の情報誌『まるはり』の編集を経て独立。

Twitter:https://twitter.com/ropeth 
Instagram:https://instagram.com/ropeth 

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・前田 岳人(まえだ たけと)
大阪堀江・心斎橋のパーソナルジム「W-GYM」の代表トレーナー。医師から学べる運動指導者向けオンラインサロン「CRACK」主宰。自著にネット小説『ジムに入会したら国を救う破目になった』がある。

Twitter:https://twitter.com/maetake88 
Instagram:https://instagram.com/maetake0530 

「ことばとこころとからだvol.7」イベントレポート

2022年末からスタートした、言葉と文章を愛する人たちが集うコミュニティ型イベント「ことばとこころとからだ」。第7回は、いつも参加してくださる常連の方々を中心に4名で開催しました。

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会場のGRANDSLAMは来月移転予定で、現在の場所で開催するのは今月が最後となります。来月からは新たに生まれ変わった新生GRANDSLAMにて開催いたします。

※移転の経緯、移転先の詳細については以下のリンクよりご確認ください。

・移転についての詳細
https://ubgoe.com/projects/351

<前半>今月出会った素敵な文章の紹介

毎度のことながら、タイムキープが全く機能しない当イベント。見知った仲にもかかわらず、近況報告を含めた自己紹介でたっぷり1時間を消化した(嘘だろ……)のち、メインコンテンツの今月出会った素敵な文章の紹介へ。

トップバッターは当イベント皆勤賞のしろくまさん。最近は運営会議にもご参加いただき、一参加者ではない貫禄を醸しています。

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今回ご紹介いただいたのは、ミヒャエル・エンデ作の『はてしない物語』。このとき初めて知ったのですが、かの有名な映画『ネバーエンディング・ストーリー』の原作だそうです。大好きな映画なのに原作があったこと知らなかった……。

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同作品の著者ミヒャエル・エンデは、言わずと知れた名著『モモ』の著者でもあり、児童文学だけでなく絵本や詩集など幅広いジャンルで活躍した作家です。

しろくまさんは、人狼であるグモルクのセリフに注目。「想像力」について言及された箇所をご紹介いただきました。

「人間ってのはな、坊主、想像力の中で生きているんだからな」
「偽りほど支配力のあるものはない」

人にとって「想像力」はとても大事な力。豊かな未来を描き、希望をもたらしてくれる力です。しかし、使い方を誤ればカルトになってしまう恐れもある。また、作中では未来への想像力を失ってしまったがために、勢力を伸ばした「虚無」に支配される世界の様子が描かれています。

コマツさんは、「想像力がネガティブな意味で用いられる場面はあまり見ないのでとても新鮮だった」とコメント。過去の名作は改めて読むとさまざまな気づきがあると、しろくまさんに共感していました。一方、トレーナーである前田さんは「ネガティブな想像をすることで、実際に結果がふるわなくなるケースもある」と自身の体験を紹介。想像力が諸刃の剣であることを改めて強調しました。

想像力の欠如が虚無をもたらし、生活が灰色になっていく感覚は、私自身経験があります。あの何とも言えない先の無いトンネルに入り込んだ感覚……。夢や希望が描けなくなった世界って、本当にしんどいですよね。

続いて、トレーナーの前田さんからは専門書である『基礎から学ぶ スポーツ運動学』『マイネル スポーツ運動学』の二冊が紹介されました。

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普段のお仕事で陸上選手のトレーニングを行なっている前田さん。イベント以前より指導の際に使役する「言葉」にこだわり、常にベストな言葉選びを心がけてきました。

本書には、身体性の高いスポーツ領域において、身体の動作を表現する言葉はどのような性格を持つのか、どう使役すれば良いのかなどについて書かれています。

「言葉で『グッと踏み込んでみてください』と言っても、僕のイメージしている『グッと』と選手のイメージする『グッと』では微妙に異なる。的確に伝えるためには、相手の使役している言葉と実際の動作がどのようにリンクしているかを理解する必要がある」と、本書の内容を紹介ししながら前田さんは話します。

言葉のイメージが個々人で異なることを指導を通じて実感し、互いに共有できるようコミュニケーションをていねいに行う大切さを教えてくださいました。

最後はライターの大先輩であるコマツさんから。彩瀬まるさんの『くちなし』をご紹介いただきました。

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本の選び方として、「作品で選ぶのではなく作家で選ぶ」と話すコマツさん。気に入った本を見つけたら、その作家さんの本を片っ端から読みたくなるとのこと。最近はあまり読書の機会が無かったそうですが、前回当イベントに参加してちゃんと本と向き合いたいと思うようになったそうです。主催者としてはとても嬉しいコメントですね。

今回ご紹介いただいた『くちなし』の著者である彩瀬さんは、2010年に『花に眩む』で第9回「女による女のためのR-18文学賞」読者賞を受賞し、2018年には『あのひとは蜘蛛を潰せない』で第5回高校生直木賞を受賞した作家さんで、官能の世界を艶のある表現で描くことで知られています。

同作家の特徴である、日常に不思議なファンタジー要素を織り交ぜた独特の世界観と設定に引き込まれたコマツさんは、作品の魅力について熱っぽく語ってくださいました。

「女性同士が恋バナで盛り上がっている場面で、相手の体にいきなり鱗が出てきて白蛇になり、恋人を食べに行くという描写があるんです。作品の世界ではそれが当たり前のように描かれていて驚きました。日常にぶっとんだ設定を持ってくるのが本当に上手なんですよ。どうしたらこんな設定が思い浮かぶんだろう」。

コマツさんの話と作品の持つ不思議な魅力に引き込まれ、「これは読んでみたい!」と一同強い興味を惹かれた本でした。こうした作品にはなかなか自分のアンテナでは出会えません。ことばとこころとからだらではの貴重な体験ができ、充実した時間となりました。

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<後半>課題執筆の講評会

プログラムは1時間ほど押して後半へ。各々が書いてきた課題執筆文について講評し合いました。

今月のテーマは梅雨時の6月らしく「雨」。各々が形式にとらわれず、思い思いの文章を綴り、持ってきてくださいました。

お互いの作品を読み合う参加者。
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「集中して読みたいから端っこに行きます!」という参加者も。

普段からお仕事や趣味のnote、ブログ等で文章を書いていても、その場で誰かに読んでもらい、すぐにフィードバックをもらえる機会はそう多くありません。「真剣に読んでくれて嬉しかった」「目の前で自分の書いた文章の感想がもらえて嬉しい」といった声が多く聞かれる後半ですが、今回も互いの努力を讃えあい、珠玉の作品を愛し合う時間となりました。

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参加者の課題執筆文とコメントは以下にご紹介いたします。
※公開可能な方のみ掲載。

・中野 広夢(ロペス)「雨」
https://docs.google.com/document/d/1t0xVjqk5VnhX-fNnKo3xkiuyFecYUV4y/edit?usp=sharing&ouid=118406447478732598818&rtpof=true&sd=true

【しろくま(水谷)】
「さすがライター!」と思えるとても読みやすい文章でした。「雨には“におい”がある」の出だしは、誰もが経験があるものでありながらなかなかはっきりと言語化できない感覚であり、私は「あ!あるある!」っとひきつけられました。
この文章の内容が、科学をやっている私の感覚とも似ていて親近感がわきます。「知りたいという好奇心はあるものの、不思議なままにしておきたいという気持ちもある」という一文はまさにこの文章を象徴するかのようで、知りたいけど謎のままで済ませたい人間の不思議なもどかしい感覚が再体験されます。
わかりやすく情緒もくすぐられる文章で好きです。

【コマツ】
「そんなバカな」とあえてマイナスの反応を「わかってる、それは僕もわかってるのよ」と先に言ってしまう手法、私もよくやるので共感しました。
情緒とバクテリアという気持ちと物質の対比も良い。唐突に妖怪にの話になるので、読者を離脱させず、つい「なんだなんだ?読んでみるか」という気持ちにさせる。
最後に「〜したい」と個人の見解を入れることで、読者が共感したり、反対に「いや、自分は違うな」と思いを巡らせるので終わり方も上手だなと思った。

・コマツマヨ『雨の日には、ミミズが土の中から這い出してくる』
https://note.com/komatsu_mayo/n/n259c9f639f1d

【ロペス(中野)】

エッセイかな?と冒頭で思っていましたが、後半でハウツーが出てきてアクセントがあって良かったです。ハウツーとはいってもポップさがあって、しんどくならない文体でした。ここ、難しいんだよな……。


【しろくま(水谷)】

やわらかくて手触り感のある文章で、やさしく語り掛けられている感覚が心地よいです。

「たぶん日本人なら8割あると思う。友人5人聞いたら4人が経験ありっていうから8割で間違いないはず」の文章が個人的には気に入っています。「8割あると思う」で普通なら終わらせるのに、「友人……」の文章があることで、よりイメージしやすくて納得感があるやさしい一文だなと思いました。

後半の三つの説を紹介しながらも「これだ!」という断定がないのも私は好きです。読者の想像力を掻き立て、「文章を読んで終わり」ではないのが良い。他人と「これどう?」と話したくなるような文章ですね。

・前田岳人
https://docs.google.com/document/d/12MVsdZskzBUZXMvLvhtpMY4SL-XAO3-7/edit?usp=sharing&ouid=118406447478732598818&rtpof=true&sd=true

【ロペス(中野)】

陸上競技について、専門外の人に対し、本当に魅力的に伝えられる人だなと思います。全然興味が無かった陸上に対し、とても楽しみながら読むことができました。もっと陸上あるあるのコラムを読んでみたいです。


【コマツ】

導入文からのちゃんと着地してて面白かったです。

最初に新聞にキレている様子が伺えるが、ただ愚痴っただけでなく最後にどうでもいいものをスパイクに詰め込んで、ちゃんと感謝の新聞に感謝の言葉を伝えていてただの口ではなくしているのが非常にうまい。私ならこれを意図してできないと思う。

あと全体的に可愛かった。


【しろくま(水谷)】

最初のメディア批判を最後の「丸めてスパイクに詰め込む」でまとめているのが皮肉もきいていて好きです。

細かいですが、前田さんの表現力も感心しました。「雨の神に愛された日は雨の神を称えながら粛々と行われるのが屋外スポーツというものだ」は、一見現実離れしたような「神」という言葉から、「屋外スポーツ」という現実に着地する距離感もいいなと思いました。また、「雨だと予選で散って悔し涙を流しても、雨は優しく誤魔化してくれる」のような表現は、カタく力強い文体の中にあるからこそ、優しさが際立っている感じがしました。

参加者の声

当日イベントにご参加いただいた方々の声を、以下の通りご紹介いたします。

次回「ことばとこころとからだvol.8」

来月開催される「ことばとこころとからだvol.8」については、以下の参加フォームからどうぞ。言葉や文章を愛する人と出会い、語られることを楽しみにしております。ぜひお気軽にご参加ください。


兵庫県神戸市加古川市姫路市ライターカメラマンロペス

━━━━profile━━━━
兵庫県を拠点として活動している編集ライター、カメラマン。大学卒業後、小学校教諭、塾講師、保育士を経験。2019年からは合同会社hyphenに転職し、コワーキングスペースmocco姫路スタッフ、コワーキングスペースmocco加古川の立ち上げに関わり、コミュニティマネージャーとして活動。その後兵庫県播磨地域の情報誌『まるはり』の編集・取材フォトライターを経て独立。
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