【京都府・下京区】京町屋 生川家「at the table×Jiro’s Kitchen」

先日、「白秋共同研究所」でご一緒した次郎さんにお誘いいただき、京都府下京区にある「町屋 生川家」にて開かれた「at the table×Jiro’s Kitchen」に参加。イベントの様子を株式会社玉子公園のライターとしてレポートにまとめました。

株式会社玉子公園

2023年3月に設立された、王子公園地域のまちづくり活動に関する企画、調査、運営、設計、及びコンサルティングを手がけるまちづくり会社。王子公園地域の様々なスキルを持った人材、団体、大学、企業等とのネットワーク、共創プロジェクトのコーディネートも担っており、今回のご相談もここからのご縁でした。

会場情報:町屋 生川家

京都府下京区町屋生川家atthetable
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京都府下京区にある町屋 生川家。京都美術工芸大学の建築学部教授・生川慶一郎氏の私邸で、自身でリノベーションし現在の姿に。吹き抜けの高い天井が空間に開放感を生み、天窓から柔らかな陽光が降り注いでいました。

また、町屋ならではの土間や風の通り道、書院造といった趣を生かした空間づくりがされており、歴史の息吹の残る邸宅でした。

京都府下京区町屋生川家atthetable
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入口の石畳や庭の苔は雨露が生え、幻想的な風景に。谷崎潤一郎の著作『陰翳礼讃』にあるように、自然の風光と一体になった美しさを感じられる空間です。

京都府下京区町屋生川家atthetable
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・町屋 生川家について
https://kyomachiya.city.kyoto.lg.jp/utilize/vol01-narukawasan/

at the table×Jiro’s Kitchen

京都府下京区町屋生川家atthetable

白秋共同研究所」で出会った、大学職員の中井次郎さんが取り組まれているプロジェクト。年齢、性別、肩書にかかわらず、フラットにテーブルを囲むことから生まれる「新たな学び」や「既存の価値観の拡張」をベースに、well-beingを目指していく活動です。

京都府下京区町屋生川家atthetable
出典:「at the table basic concept」

大学生との交流が多い職場で、またご自身も大阪大学大学院にて若者の「学び」に関する研究をされている次郎さん。コロナ禍を経て「人と人とがリアルにテーブルを囲み語らう」ことの重要性を再認識したそうです。

今後アフターコロナを経て、その活動をどのように復活させるのか大きな課題として捉えた際に、「活動とは何か」という本質を今こそ見つめ直すべきと原点回帰を試みました。その時に出会ったのが、女性政治哲学者ハンナ・アレントです。

彼女は自著『人間の条件』において、「人々が公共的な問題について話し合い、複数的な意見を交換する公共空間を創り出すことが重要だ」と訴えました。

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出典:「at the table basic concept」

at the tableでは、「越境することが学びの要素である」というイベントコンセプトに準じ、学生のゼミ旅行での地域交流イベントや、日本酒BARとのタイアップによる学生と社会人女性による日本酒普及イベント等も実施。

大手旅行代理店での17年間に及ぶキャリアに加え、現在のアカデミックな立場から、キャリア相談をする学生や若者も少なくなく、自然とテーブルを囲む空間が生まれているそうです。

京都府下京区町屋生川家atthetable

また、本年度より武庫川女子大学生活美学研究所の研究員にも招聘され、at the tableの社会的意義や教育的な効果がますます期待されています。

イベントレポート

イベント当日は取材のため、開始時刻より30分ほど早く現地入り。すでにテーブルセッティングが完了しており、ゲストを迎え入れる準備が着々と進んでいました。

京都府下京区町屋生川家atthetable
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次郎さんは日本酒とお料理のペアリングを準備。普段ここまで綺麗にセッティングされた環境で飲食する機会はあまり無いので、少し緊張しつつもわくわくしながら様子をうかがっていました。

京都府下京区町屋生川家atthetable
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そうこうしているうちにゲストが続々と到着。大学で教鞭を執られている教授や、歯科医師、歯科助手、アーティストといった幅広い職種・領域の方々が集まりました。

食事の準備が整うまでの時間で、生川氏が会場の町屋をご紹介。もともと建築系で働かれていた方や学生時代に建築学を専攻していた方、建物巡りが趣味の方など建築に造詣が深いゲストが多く、皆さん興味津々のご様子でした。

京都府下京区町屋生川家atthetable
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一通り町屋の説明が終わるといよいよお食事。J.S.A認定資格である「SAKE DIPLOMA」を取得されている次郎さんが厳選した日本酒のウェルカムドリンクで乾杯し、前菜に舌鼓。初対面のゲストが多かったものの、次郎さんや生川さんのあたたかい場づくりで和気藹々とした雰囲気で進行しました。

京都府下京区町屋生川家atthetable
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室内で席に着いてからは、次郎さんが腕によりをかけてつくったお料理をいただきつつ、日本酒のペアリングを満喫。一言に日本酒と言ってもさまざまな味や香りがあり、それぞれ個性が異なります。旬の果物を取り入れた季節の料理にジャストマッチする日本酒に、「これってどこの日本酒ですか?」「どういったお料理に合うんですか?」とゲストからたくさんの質問が投げかけられ、一つ一つ丁寧に答えられていました。

旬の食材にこだわったお料理にあらわれている通り、「これからのwell-beingには、美に対する意識を丁寧に構築することがキーファクターとなる」と考える次郎さん。背景には、美容に係るお仕事に従事されている奥様の影響もあるそうです。

日本酒を嗜む機会は多いものの、料理とのペアリングや健康はあまり意識して来なかったので、今回おすすめいただたいたペアリングを参考にしつつ、自分でもいろいろ挑戦しようと思います。

京都府下京区町屋生川家atthetable
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公共の空間であるテーブルを囲み、異なる職種の人たちが異なる価値観で語らう。at the tableのコンセプトが体現された場はとても居心地が良く、新たな学びと出会いに満ちていました。

自分は場づくりを仕事にしており、似たようなコンセプトの場は何度か参加した経験があります。しかし、ここまで整えられた上質な環境で会話する機会はあまり多くありません。雑多かつカオスな環境でさまざまなバックグラウンドを持つ方々と歓談するのも良いですが、大人の社交場で語らうのも新鮮で楽しかったです。

少し背伸びをして参加しましたが、これからはフラットに参加できるよう、普段からマナーや話し方、立ち振る舞いといった部分を意識して磨こうと思います。

お誘いいただいた次郎さん、当日ご一緒した皆様、素敵な時間をご一緒させていただき本当にありがとうございました。


兵庫県神戸市加古川市姫路市ライターカメラマンロペス

━━━━profile━━━━
兵庫県を拠点として活動している編集ライター、カメラマン。大学卒業後、小学校教諭、塾講師、保育士を経験。2019年からは合同会社hyphenに転職し、コワーキングスペースmocco姫路スタッフ、コワーキングスペースmocco加古川の立ち上げに関わり、コミュニティマネージャーとして活動。その後兵庫県播磨地域の情報誌『まるはり』の編集・取材フォトライターを経て独立。
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