【大阪府・福島】コワーキング・イベントスペースGRANDSLAMにて「ことばとこころとからだvol.3」を開催しました。

大阪府・福島にあるコワーキング・イベントスペース「GRANDSLAM(グランドスラム)」にて、言葉と文章を愛する人たちの集いである、「ことばとこころとからだ vol.3」を開催しました。

・「ことばとこころとからだvol.1」はこちらから
https://ropeth.com/2022/12/17/grandslam-kokorotokotobatokarada1/

・「ことばとこころとからだvol.2」はこちらから
https://ropeth.com/2023/01/21/grandslam-kokorotokotobatokarada2/

毎回参加いただいている常連メンバーを含め、vol.3は4名での開催。新しいメンバーも迎えつつ、これまで同様文章について広く深く語り合うことができました。

回を重ねるごとに、僕たちが大事にしたいフィロソフィーが徐々に参加者の方々と共有され、どんどんあたたかい空気感が醸成されています。一人一人が濃い気づきや学びを生もうと能動的に動いてくださるのが本当に嬉しい……。

「自分たちの欲しい環境は自分たちで作っていこう」がモットーなので、これからトライアンドエラーを重ねながらどんどん良い会に成長させていきたいです。

大阪福島コワーキングイベントスペースGRANDSLAMグランドスラムことばとこころとからだライター

会場情報【コワーキング&イベントスペース『GRANDSLAM』】

大阪福島コワーキングイベントスペースGRANDSLAMグランドスラムことばとこころとからだライター

「成長・共創・つながり」という3つのコンセプトを軸に運営している、2019年8月設立のコワーキングスペース・イベントスペース GRANDSLAM。快適な作業環境を提供するだけでなく、学べるイベント、つながれる機会の創出などを通し、関わる人たちのビジネスの可能性を広げ続ける進化系スペースです。

大阪福島コワーキングイベントスペースGRANDSLAMグランドスラムことばとこころとからだライター
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・コワーキング・イベントスペース「GRANDSLAM(グランドスラム)」HP
https://grandslam.osaka/

・「GRANDSLAM(グランドスラム)」紹介記事(note)
https://note.com/gsmp2019/n/n3e443736e353

「ことばとこころとからだ」イベント概要

大阪福島コワーキングイベントスペースGRANDSLAMグランドスラムことばとこころとからだライター

「言葉や文章を愛する人たちと、一緒に楽しく語りたい!」

そんな想いから生まれた当イベント。
集まるのはライターや作家、エッセイスト、俳人、作詞作曲家、ナレーターなど、文章に関わるお仕事の方々はもちろん、純粋に文章や言葉が大好きな人たち。

大阪福島コワーキングイベントスペースGRANDSLAMグランドスラムことばとこころとからだライター

本や新聞記事、エッセイやネットのコラムなど、お互いの好きな文章を紹介し合ったり、テーマに沿って文章を書いてみたり、「楽しく書く」をモットーに毎月遊んでいます。

大阪福島コワーキングイベントスペースGRANDSLAMグランドスラムことばとこころとからだライター
大阪福島コワーキングイベントスペースGRANDSLAMグランドスラムことばとこころとからだライター

・ことばとこころとからだ詳細
https://ropeth.com/kotoba-kokoro-karada/

「ことばとこころとからだvol.3」イベントスタッフ

大阪福島コワーキングイベントスペースGRANDSLAMグランドスラムことばとこころとからだライター

・中野 広夢(なかの ひろむ)
兵庫県を拠点として活動しているフリーの編集ライター、カメラマン。大学卒業後、小学校教諭、塾講師、保育士を経験。2019年からはコワーキングスペースのコミュニティマネージャーとして活動。その後兵庫県播磨地域の情報誌『まるはり』の編集を経て独立。

Twitter:https://twitter.com/ropeth 
Instagram:https://instagram.com/ropeth 

大阪福島コワーキングイベントスペースGRANDSLAMグランドスラムことばとこころとからだライター

・前田 岳人(まえだ たけと)
大阪堀江・心斎橋のパーソナルジム「W-GYM」の代表トレーナー。医師から学べる運動指導者向けオンラインサロン「CRACK」主宰。自著にネット小説『ジムに入会したら国を救う破目になった』がある。

Twitter:https://twitter.com/maetake88 
Instagram:https://instagram.com/maetake0530 

「ことばとこころとからだvol.3」イベントレポート

<前半>今月出会った素敵な文章の紹介

イベント前半は、各々が今月出会った素敵な文章を紹介し合いました。

前回に引き続きご参加いただいた心理系ライターのしろくまさんは、ホメロス著『イリアス』から一節を紹介。有名な「トロイの木馬」の原話が収録されており、古今東西長らく読み継がれてきた古典的な名著です。

しろくまさんが注目したのは表現の妙。戦争で倒れる兵士の様子を描いたシーンをご紹介くださいました。

撃たれた男は、さながら庭先の罌粟(けし)が、実も重く、春雨にも濡れて片方に頭を垂れるごとく、兜の重みにがくりと頭を片方に傾けた。

『イリアス』より

当時は文字がそこまで発達していないため、伝承の多くは吟遊詩人が口伝で語り継いできました。そのため、語り手は聴衆に応じて即興で話を組み立てていたと考えられ、現在残っている表現の他にもさまざまな表現があったとされています。

「さながら庭先の罌粟(けし)が、実も重く、春雨にも濡れて片方に頭を垂れるごとく」といった比喩も、もしかしたら植物に親しみのある農家の方々を対象に語ったからこそ用いられた表現なのかもしれません。

こう考えると、一つの表現の背景にさまざまな意図が隠されていることがわかります。(個人的にめっちゃワクワクポイント)また、状況に応じて比喩やレトリックを使い分けていた、当時の吟遊詩人の表現の豊かさにも驚かされます。

細部まで味わい尽くす、ていねいな読み方をするしろくまさんならではのお話でとても勉強になりました。

続いて、当イベントの運営メンバーでありパーソナルトレーナーを生業とされている前田さんは、三島由紀夫の『ボディ・ビル哲学』(昭和31年9月)を紹介。

・国会図書館リンク
https://crd.ndl.go.jp/reference/modules/d3ndlcrdentry/index.php?page=ref_view&id=1000171117

ここ最近の選書は「さすが前田さん!」の一言で、身体に関わるお仕事をしている人ならではの着眼点と、イベントのタイトル通り「ことばとこころとからだ」にマッチした本を紹介してくださっています。

だまされたと思ってボディ・ビルをやってごらんなさい。もっとも私がすすめるのはインテリ諸君のためであって、脳ミソの空っぽな男がそのうえボディ・ビルをやって、アンバランスを強化するのは、何とも無駄事である。

『ボディ・ビル哲学』より

「健全な精神は健全な身体に宿る」の言葉にもある通り、肉体とは何か?という問いに対し「体というのは思想の棲家だ」と語る三島由紀夫。当時のインテリ層に向け、「思想だけでは尖るから肉体で覆うんだ」というメッセージを強く発信していました。

大阪福島コワーキングイベントスペースGRANDSLAMグランドスラムことばとこころとからだライター
思想の棲家、豪邸レベルまで鍛え上げられている。

一方で、そもそも思想や信念が無いものに対しては「まずは勉強しろ」と痛烈なメッセージを残しており、あくまでその容れ物として身体を鍛えるべきだといった考え方だったようです。昨今身体だけにフォーカスし、中身が空っぽなトレーナーが多いと憂う前田さんにとって、「現代のトレーナーにはぜひ読んで欲しい一冊」とのことでした。

自分はトレーナーではありませんが、肉体派のヘミングウェイや三島由紀夫といった文豪は大好きなので、その考え方に触れるためにも読んでみようと思います。

大阪福島コワーキングイベントスペースGRANDSLAMグランドスラムことばとこころとからだライター
気になりすぎてネットから論文落とした。

最後は今回初参加のWebデザイナー、小野さんから。司馬遼太郎さんの時代小説から感じたことを紹介してくださいました。

小説だけでなく、自身の過去の対人関係も回想しながら、「人はなぜ威張るのだろう」というモヤモヤを吐露してくれた小野さん。自尊心を守るためにプライドが高くなり、他者に対して高圧的な態度を取る人ってどこにでもいますよね……。

参加者からは、「自分を磨くのではなく周りを陥れることで自分を上げようとする人いるよね」といった共感や、「そういう人たちを観察して何が原因で威張るようになったかを考えるのも楽しそう」といった視点の提供がありました。

大阪福島コワーキングイベントスペースGRANDSLAMグランドスラムことばとこころとからだライター

今回の参加者は指導を仕事にしている方々が多かったので、自身の立ち振る舞いを見直す良い機会になりました。自分も場づくりの際は高圧的にならないよう気をつけよう……。

<後半>課題執筆の講評会

休憩を挟んだのち、イベント後半へ。

大阪福島コワーキングイベントスペースGRANDSLAMグランドスラムことばとこころとからだライター

課題として設けていたテーマについての執筆記事をお互いに講評し合いました。前回に引き続き、参加者全員がイベント当日までに課題を仕上げてきました。必須じゃないにもかかわらず、この意識の高さと熱量よ……。毎回驚愕しています。

講評のスタンスを改めて説明すると、改善点を指摘し合うというよりは良い部分を評価し合う方に重点を置いています。理由としては、「文章が上手に書けるようになる」ことより、「楽しんで文章を書き続けられる」ことを大事にしたいから。「書くべき」ではなく、「書きたい」で楽しめる会を目指しています。

以下に、レポートに掲載許可をいただいた参加者の作品をご紹介。ぜひご高覧ください。
※今月のテーマは「甘い」「苦い」でした。

・小野紀子さん『作った言葉(今の自分)』
https://docs.google.com/document/d/1Hgv6O43yP74KmBo1sTt77D5xftPDiCzD/edit?usp=sharing&ouid=118406447478732598818&rtpof=true&sd=true

前半の文章紹介同様、人間の真性に迫ったテーマで書かれたエッセイ。人として成熟するというのはどういうことかが、筆者の哲学たっぷりに語られていて読み応えのある一編。酒の席で朝まで語れそうな話題です。

・前田岳人さん『ビタースイート喫茶店』
https://kakuyomu.jp/works/16817330653766468954/episodes/16817330653766480204

前回に引き続き大ボリュームの超大作。今回は渋めのハードボイルド調。語彙の豊かさ、表現の引き出しの多さに毎回感動を覚えます。この喫茶店、リアルにあったら通い詰めるだろうなあ(笑)。前田さん、マスターやってくれないかな(笑)。

・中野広夢(ロペス)『甘くないケーキ』
https://docs.google.com/document/d/18Vm_QermLbkgLfIayekCktaa8ogfot_1/edit?usp=sharing&ouid=118406447478732598818&rtpof=true&sd=true

NotionAIを使って30秒で完成した作品。AIで作った作品と言わずに紹介したらどうなるか、試したくなり実践。

結果は散々で、「テーマやメッセージ性がまるで見えない。根底に流れる哲学、思想がない」「正しい文章ってだけで全く面白くない」「スポンジケーキを食わされている、コンビニスイーツを食わされている感じがする」といったコメントが。初参加の小野さんからは「ロペスさんやる気無いんですか?」と言われる始末(笑)。

人間の書く文章の可能性はどこにあるのか。みなさんの辛辣なフィードバックのおかげで少し見えた気がします。


今回はちょっと”爆弾”をぶち込みたいなと思い、AIに課題執筆をさせてイベントに参加しました。結果は上記にある通り。「文章はコミュニケーションツールだから、人が介在しないのは悲しい、虚しい」との印象を与えてしまったようです。

前田さんが英語を例に挙げてお話しされていましたが、「英単語や英文法をどれだけ学んでも、伝えたいという心が無いとそもそもコミュニケーションができない」との言葉通り、どれだけ技術があってもその背景に思いが無いと伝わらないんだなと改めて気づくことができました。

大阪福島コワーキングイベントスペースGRANDSLAMグランドスラムことばとこころとからだライター

対話は終始盛り上がり、惜しみつつも終了の時間へ。タイトル通り、「言葉」と「心」と「身体」について深く考え語らう充実した時間となりました。

ご参加いただいた皆様、素敵な時間をありがとうございました。ぜひ来月も一緒に文章を愛でましょう。

次回「ことばとこころとからだvol.4」

来月開催される「ことばとこころとからだvol.4」については、以下の参加フォームからどうぞ。言葉や文章を愛する人と出会い、語られることを楽しみにしております。ぜひお気軽にご参加ください。(※終了しました)

・イベントレポート
https://ropeth.com/2023/03/26/grandslam-kokorotokotobatokarada4/


兵庫県神戸市加古川市姫路市ライターカメラマンロペス

━━━━profile━━━━
兵庫県を拠点として活動している編集ライター、カメラマン。大学卒業後、小学校教諭、塾講師、保育士を経験。2019年からは合同会社hyphenに転職し、コワーキングスペースmocco姫路スタッフ、コワーキングスペースmocco加古川の立ち上げに関わり、コミュニティマネージャーとして活動。その後兵庫県播磨地域の情報誌『まるはり』の編集・取材フォトライターを経て独立。
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